ビジネスの場面でよく使う
「取り急ぎ(とりいそぎ)」という表現。
正しい使い方は、どれでしょうか。
ビジネスの場面でよく使う「取り急ぎ(とりいそぎ)」
という表現。
正しい使い方は、どれでしょうか。
① |
明日15時頃、春物のワンピースが店に届きます。
届きましたら、取り急ぎ、2階のショーウィンドウに運んでください。営業終了後、飾り付けいたします。 |
② |
松山取締役の急なご入院を受け、明日13時からの月次営業会議を急遽延期いたします。
変更後の日程などは、追ってご案内いたします。
取り急ぎ、延期のご連絡まで。 |
③ |
先ほど、ABC建設の渡辺様からお電話がありました。
席に戻られましたら、取り急ぎ渡辺様にお電話をお願いいたします。 |
④ |
本年は大変お世話になりました
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
取り急ぎ、本年のお礼まで。 |
【詳解】
「取り急ぎ」とは、「完全ではないけれど、急ぐことを最優先にして」という意味です。 古くから「手紙」で使われていた表現ですが、現在はビジネスメールでよく使われます。 「急ぐことを最優先にする」ので、「緊急で相手に伝えなければならない件」だけに使えます。 1)3)4)は、相手に緊急で伝えなければならない事ではありません。 ですから、全て不適当です。
※1)の場面では、途中工程を表す「とりあえず」や「一旦」・「まずは」などを使います。
※3)では、「席に戻ったらすぐ、渡辺様に電話をしてください」という事を言いたいので、「取り急ぎ」ではなく「折り返し」を使います。
※4)は年末の挨拶ですね。年末の挨拶は、心を込めて完全な形でするのが礼儀ですから、営業最終日の終業間際に「取り急ぎ」でするものではありません。「取り急ぎ、本年のお礼まで。」は不要です。
2)「明日の会議の延期」ですから緊急で伝えなければならない件ですね。急ぐことを最優先にしていますから「延期後の日程」等は未決定で、不完全な連絡です。・・・適当 という事で、正解は2)です。